視覚障害の僕が鍼灸マッサージの道に進んで10年。高校2年生の自分へ伝えたいこと

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「鍼灸マッサージ」と聞いて、みなさんはどんな仕事を思い浮かべますか?

鍼を刺したり、お灸をしたり、マッサージで肩こりや腰痛を和らげたり。

そんなイメージを持っている人が多いと思います。

実は僕も、この仕事を知るまでは、その程度の認識しかありませんでした。

ですが資格の勉強を始め、実際に現場で働くようになって、そのイメージは180度変わりました。

気がつけば、この業界に関わって10年以上。

施術者として働いて7年以上になります。

この記事では、次の内容をお話しします。

  • 僕が鍼灸マッサージ師を目指したきっかけ
  • 学生時代に感じたこと
  • 実際に働いて分かったこと
  • これからこの道を目指す人へ伝えたいこと

特に、視覚障害があることでこの仕事を知った人や、将来に迷っている学生さんの参考になれば嬉しいです。


僕と鍼灸マッサージとの出会い

僕がこの道へ進むきっかけになったのは、高校2年生の学年末でした。

当時は、将来やりたいことが特に決まっておらず、なんとなく農業系の大学へ進学しようと考えていました。

そんなある日、進路相談で先生から言われた一言が、僕の人生を変えます。

「盲学校へ進学してみない?」

その頃の僕にとって盲学校は、点字や白杖を学ぶ学校というイメージしかありませんでした。

すると先生は、こう教えてくれました。

「国家資格も取得できるよ。」

それが、次の3つの国家資格でした。

  • あんまマッサージ指圧師
  • はり師
  • きゅう師

実は中学生の頃、一度だけ「マッサージ師になれたらいいな」と思ったことがあります。

まさか、その夢がこんな形でつながるとは思ってもいませんでした。

もちろん不安もありました。

でも、それ以上に「やってみたい」という気持ちの方が大きかったのを覚えています。


「見えなくても鍼が打てるの?」

盲学校へ入学する前、僕はずっと疑問に思っていました。

「目が見えにくい人が、本当に鍼を刺せるの?」

「お灸に火をつけるのは危なくない?」

今振り返ると、ごく自然な疑問だったと思います。

しかし、その考えは入学してすぐに変わりました。

授業では、自分の足や練習用のクッションを使って、何度も鍼を打つ練習をします。

最初はもちろん失敗ばかり。

鍼の跡がいくつも残ることもありました。

それでも練習を続けるうちに、大切なことに気づきます。

鍼は「目」で刺すものではなく、「指先の感覚」で刺すものだったのです。

マッサージも同じです。

  • 筋肉の硬さ
  • 皮膚の温度
  • 身体の変化

これらは目で見るよりも、手で触れた感覚の方が、はるかに重要でした。

その瞬間、僕は心から納得しました。

「だから視覚障害者でも、この仕事ができるんだ。」


実は昔から視覚障害者と深い関わりがある仕事

盲学校へ入学して驚いたことが、もう一つあります。

それは、この仕事の歴史です。

鍼灸やあんまは古代中国までさかのぼるほど長い歴史があり、日本でも江戸時代には視覚障害者があんま師として活躍していました。

さらに、日本には「あはき法」と呼ばれる法律があり、視覚障害者の職業や生活と深く関わってきた歴史があります。

高校生の頃、僕は「どうして、あんまマッサージ指圧師を目指せる学校は少ないんだろう」と思っていました。

その背景を、盲学校へ進学して初めて知りました。

制度には、立場によってさまざまな考え方があります。

ただ、昔から視覚障害者が社会で活躍できるよう、多くの人が環境を築いてきた歴史を知り、大きな驚きと感謝を感じました。


勉強嫌いだった僕が3年間本気で勉強した

人の身体を扱う仕事だからこそ、覚えることは山ほどあります。

  • 筋肉
  • 神経
  • ツボ
  • 東洋医学
  • 西洋医学

正直、勉強は得意ではありませんでした。

だからこそ、人より時間をかけました。

スマホに暗記アプリを入れ、暇さえあれば、筋肉や骨の名前を何度も繰り返し覚えていました。

今では笑い話ですが、

「もう一度、あの3年間をやってください」

と言われたら、きっと断ります(笑)。

それでも、あのときの努力が、今の自分を支えてくれています。


働いて7年以上。今でもこの仕事が好きな理由

この仕事は、今でも心から「楽しい」と思える仕事です。

勉強してきた知識や技術で、お客様が少しでも楽になり、次のような言葉をいただける瞬間があります。

「ありがとう。」

「今日はぐっすり眠れそう。」

その一言だけで、「この仕事を続けてきて良かった」と思えます。

もちろん、現実は甘くありません。

この仕事は、お客様が来てくださらなければ成り立ちません。

だからこそ、技術だけでなく、人として信頼されることも大切です。

学生のうちから「どんな施術者になりたいか」という目標を持つことは、きっと将来の力になります。


コロナ禍で考え方が変わった

就職して間もなく、新型コロナウイルスが流行しました。

街から人が消え、施術所も静かになりました。

そのときに痛感したのは、次のことです。

「技術だけでは、安定して働き続けることが難しい時代もある。」

だから僕は、鍼灸マッサージ以外の勉強も始めました。

  • YouTube
  • ブログ
  • AI
  • 読書
  • 発信する力

どれも、自分を知ってもらい、働き方の可能性を広げるための大切な武器になると思っています。


学生のみなさんへ

資格を取ることは、ゴールではありません。

本当のスタートです。

  • 技術を磨くこと
  • 人との接し方を学ぶこと
  • お金について学ぶこと
  • 発信する力を身につけること

学び続けることは大変です。

でも、その積み重ねが、数年後の自分を助けてくれます。


高校2年生の自分へ

もし高校2年生の自分へ一言だけ伝えられるなら、こう言います。

「その選択は、間違っていない。」

不安になるのは当たり前。

でも、目が見えにくいことを理由に、夢を諦めなくていい。

この仕事は、視力よりも、人を思いやる気持ちと努力、そして指先の感覚が何より大切な仕事だからです。

僕は、この仕事を選んだことを一度も後悔したことはありません。

そして今、不安を抱えながらこの記事を読んでいる人がいるなら、胸を張って一歩踏み出してほしいと思います。


最後に

今回は、僕が鍼灸マッサージと出会ったきっかけから、仕事への思い、そして将来の目標までを書いてきました。

これからも僕は、施術の技術だけでなく、AIや情報発信など、新しいことにも挑戦し続けます。

そして、このブログやYouTubeが、これから鍼灸マッサージ師を目指す人や、視覚障害があって将来に悩んでいる人の背中を、ほんの少しでも押すきっかけになれたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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