視覚障害者でも一人でBARに行く!白杖の僕が酒場を楽しむ方法と困ること

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子どもの頃、大人になったらみんなお酒を飲むものだと思っていました。

テレビを見ると、仕事終わりにビールを飲んでいるサラリーマンの姿をよく見かけたからです。

たぶん、そんなイメージの影響だったんでしょうね。

僕も20歳になってからお酒を飲むようになり、気づけば9年が経ちました。

もちろん、視覚障害があろうがなかろうが、お酒は飲めます!

ただ最近思うのは、僕はお酒そのものよりも、「酒場の雰囲気」が好きなのかもしれないということです。

特に大阪に来てからは、一人でBARへ行くことが仕事終わりの楽しみになりました。

でも、白杖を持って一人でBARに入ると、結構な確率で驚かれます(笑)。

今では常連になっているお店もあり、

「カメちゃん、お疲れ!」

と声をかけてもらうことも増えました。

今日は、そんな視覚障害者の僕が、一人でどうやってBARを楽しんでいるのか。

そして、なぜ僕がBARという場所を好きになったのかを書いてみようと思います。

初めてBARに行ったのは20歳のとき

僕が初めてBARに行ったのは20歳の頃。

親戚のおじさんと一緒に、居酒屋やBARを回ったのがきっかけでした。

初めて入ったBARは、ジャズが流れる少し暗めのお店。

みんなでワイワイ騒ぐというより、ゆっくり時間を過ごすような雰囲気でした。

目の前では、「THE・バーテンダー!」という感じの方が、シェイカーをフリフリ。

当時の僕はかなりお酒が弱く、缶チューハイ1本で顔が真っ赤になるくらいでした(笑)。

そんな僕に作ってくれたのが、フルーツを使った甘いカクテル。

飲んだ瞬間、「お酒って、こんなにおいしいんだ!」と思ったのを覚えています。

そこから友人と行ったり、一人で行ったり。

僕の酒場人生が少しずつ始まりました。

大阪に来て、一人で飲みに行くようになった

21歳のとき、仕事のため大阪へ出てきました。

当時は一人暮らし。

仕事が終わって家に帰っても暇だったので、近所の居酒屋やBARへ行くようになりました。

居酒屋は「食べて飲んだらすぐ退店」くらいがちょうどいい

居酒屋も嫌いではありません。

ただ僕の場合、周りがワイワイしていると結構耳が疲れます。

普段から周囲の音を頼りにすることが多いので、いろいろな方向から大きな声が飛んでくる場所に長時間いると疲れてしまうんですよね。

だから居酒屋では、食べる!飲む!お腹いっぱい!退店!くらいがちょうどいい(笑)。

そのあと、「もう少しゆっくりしたいな」というときにBARへ向かうことが多いです。

飲み屋が密集している街は意外とありがたい

大阪に来てから、僕は2つの街に住みました。

街が変われば、酒場の雰囲気も結構変わります。

今住んでいる街は、比較的コンパクトな範囲に飲み屋が集まっています。

これが視覚障害のある僕には意外と便利です。

一番のメリットは、お店からお店までの移動距離が短いこと。

  • 今日は静かに飲みたい
  • 今日はダーツしたい
  • 今日は歌いたい!

その日の気分でお店を変えても、それほど長い距離を移動しなくて済みます。

もちろんデメリットもある

お店同士が近すぎて入口を間違えたり、雑居ビルの中にあると目的のお店が分からなかったり。

エレベーターがなく、階段しかないお店もあります。

初めてのお店は少し大変です。

でも何度か通っているうちに、入口や店内の構造も覚えてきます。

人間って、見えようが見えまいが、慣れる生き物なんですね。

BARはその日の気分で選ぶ

一言でBARといっても、いろいろあります。

  • 静かに飲めるBAR
  • ダーツBAR
  • カラオケBAR

めちゃくちゃ歌いたい夜もある。

ダーツで誰かと勝負したい夜もある。

静かにグラスを傾けながら、ゆっくり話したい夜もある。

その日の気分によってお店を選べるのも、BARの魅力だと思っています。

僕はあまりにも賑やかな場所が苦手なので、「今日はちょっと騒がしいな……」と思ったら、一杯だけ飲んで別のお店へ行くこともあります。

新しいBARは「人から教えてもらう」

僕は普段、新しいBARをネット検索だけで探すことはあまりありません。

もちろん旅行先などでは調べます。

でも普段は、「あそこ、カメちゃん好きそうだよ」と人から紹介されたお店へ行くことが多いです。

これには、視覚障害者ならではの理由もあります。

人から教えてもらえば、

  • 「カウンター中心だよ」
  • 「店内は狭いよ」
  • 「2階にあって階段だよ」

といった、ネットの写真だけでは僕には分かりにくい情報を事前に聞けるからです。

そして気に入ったお店で、また別のお店を教えてもらう。

そんな感じで少しずつ行ける場所が増えていきました。

BARのメニュー?ほとんど見てません(笑)

視覚障害者の僕にとって、BARで困ることの一つがメニューです。

そもそもBARって暗いんですよね。

暗い場所が苦手な僕には、メニュー表がほとんど見えません。

なので、最初からあまり見ていません(笑)。

カウンターの奥にお酒のボトルがズラッと並んでいるお店もあります。

他のお客さんがボトルを見ながら、「これお願いします」なんて注文していると、「なんかカッコいいなぁ」と思います(笑)。

でも僕には、どのボトルが何なのかほとんど分かりません。

だから注文するときは、

  • 「甘めでお願いします」
  • 「さっぱりしたやつがいいです」
  • 「強すぎない感じで」

と、飲みたいイメージを伝えます。

相手はお酒のプロです。

見えないボトルを頑張って選ぶより、プロに任せた方が早い(笑)。

むしろ、自分では選ばないようなお酒を出してもらえるのも楽しかったりします。

一人飲みで一番困るのは店内の移動

一方で、一人だからこそ困ることもあります。

特に僕が困るのが、店内の移動です。

狭い店内に他のお客さんがいると、屋外を歩くときのように白杖を大きく動かすことはできません。

そこで僕は、移動するときに白杖で床を軽くトントンして、自分が歩いていることを周囲に伝えるようにしています。

特にトイレへ行くときや、お店を出入りするときですね。

それでも店内の構造によっては、一人でトイレまで行けないことがあります。

そんなときは、「すみません、トイレまでお願いします」と店員さんに頼みます。

「全然気にしなくていいよ!」と言ってくれる方がほとんどです。

ありがたい。

ただ、お願いする側としては、「また呼ぶの申し訳ないなぁ」と気を使ってしまうこともあります。

せっかく飲みに来たのに、ずっと気を使っていると完全にはくつろげません。

だから自然と、一人でも移動しやすいお店へ行くことが増えました。

ちなみに、よく行くBARなら店内の構造はだいたい把握しています。

……どんだけ飲みに行ってんねん(笑)。

白杖があるから覚えてもらえる

白杖を持って一人でBARへ行くと、初めて会った人から驚かれることがあります。

これを嫌だと感じる人もいると思います。

でも僕は、そこまで嫌ではありません。

むしろ、「白杖を持っている人=カメちゃん」と覚えてもらいやすい。

一度覚えてもらえば、次に行ったときに声をかけてもらえたり、困っているときに助けてもらいやすくなったりします。

視覚障害について結構ズバズバ聞かれる(笑)

BARでは店員さんだけでなく、お客さん同士の距離も近いです。

お酒も入っているからなのか、視覚障害について結構ズバズバ聞かれます(笑)。

  • 「どんなふうに見えてるの?」
  • 「一人で電車乗れるの?」
  • 「仕事はどうしてるの?」

もちろん、障害について聞かれたくない人もいると思います。

僕の場合は、普通に答えます。

むしろ僕自身のことを知ってもらうきっかけになるなら、それもいいかなと思っています。

そうやって話しているうちに顔なじみが増えていく。

次にお店へ行ったとき、「カメちゃん、お疲れ!」と声をかけてもらえる。

あれ、結構うれしいんですよね。

大人になってからの「学校以外の居場所」

僕がBARを好きな一番の理由は、もしかするとここかもしれません。

学生の頃は、学校や部活などに行けば自然と人と出会えました。

でも大人になると、どうしても仕事や家庭が生活の中心になります。

家と職場を往復しているだけでは、新しい人と出会う機会も少なくなります。

でもBARへ行くと、普段なら出会わない人と話すことがあります。

  • 違う仕事をしている人
  • 年齢が全然違う人
  • 自分とはまったく違う趣味を持っている人

そんな人たちと話せるのが楽しいんです。

そして実は、僕は酒場で今の妻とも出会いました。

だから僕にとってBARは、単にお酒を飲む場所ではありません。

人と人がつながる場所。

僕がBARを好きなのは、きっとこっちの理由の方が大きいんだと思います。

視覚障害があっても、行きたいところへ行く

視覚障害がある状態で一人でBARへ行けば、不便なことはあります。

  • メニューが見えない
  • 入口が分からない
  • 店内を移動しづらい
  • トイレまで案内してもらうこともある

でも僕の場合、「見えないから行かない」ではなく、「どうすれば行けるか」を考えてきました。

メニューが見えなければ聞く。

分からなければお願いする。

初めてのお店が不安なら、知っている人から情報をもらう。

そして何度か通えば、少しずつ自分で動けるようになる。

もちろん、これは僕の場合です。

見え方や障害の程度、性格によっても楽しみ方は違います。

それでも僕自身は、そうやって少しずつ「自分が行ける場所」ではなく「自分が行きたい場所」を増やしてきました。

最近、お酒との付き合い方を考えるようになった

おそらくこれからも、僕がBARへ行くことはあると思います。

BARの雰囲気も好きだし、人と話す時間も好きです。

ただ最近、ある出来事をきっかけに、「お酒は少し控えようかな」と思うようになりました。

考えてみれば、BARへ行ったからといって必ずお酒を飲む必要はありません。

ジンジャーエールでもいい。

ウーロン茶でもいい。

それを片手に誰かと話しているだけでも、僕は結構楽しい。

今回この記事を書いてみて、改めて気づきました。

僕が好きなのは「お酒」より「酒場」なのかもしれません。


次回は、入院をきっかけに約3週間お酒を飲まなかった僕が、久しぶりに「お酒のない生活」をして感じたことを書いてみようと思います。

最後に。

お酒は20歳になってから。

そして、飲むときはほどほどに。

……これは僕自身にも言い聞かせておきます(笑)。

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