こんにちは、カメちゃんです!
駅のホーム、横断歩道、踏切、コンビニの入口。
どれも、僕たちが普段何気なく使っている場所ですよね。
でも、見えない・見えにくい状態で歩いていると、その「普通の場所」が一気に危険な場所になることがあります。
実はこの記事を書いている2日前にも、ちょっとした事件がありました。
家の近所を歩いていると、後ろから車が近づいてきて、突然「プーーッ!」とクラクションを鳴らされたんです。
びっくりして、とっさによけたその先にあったのがお店の看板。
そのまま派手にぶつかってしまいました。

幸い、大きなケガはありませんでした。
でも、普通に痛かった!(笑)
視覚障害者として生活していると、こういう「ヒヤッ」とする経験は意外と少なくありません。
ネットニュースを見ていても、視覚障害者が駅のホームから転落したり、電車と接触したりする事故を目にすることがあります。
僕自身、今まで命に関わるような大きな事故には遭わずに済んでいますが、
「あと少し違っていたら危なかったな」
と思ったことは何度もあります。
そこで今回は、僕自身が実際に経験したことを中心に、視覚障害者が街中を歩いていて特に危険を感じる5つの場所や場面を紹介します。
視覚障害のある人には「わかる!」と思ってもらえるかもしれません。
そして視覚障害のない人には、
「普段歩いている場所に、こんな危険もあるんだ」
と少しだけ知ってもらえたらうれしいです。
① 駅のホームは一歩間違えば線路へ。視覚障害者にとって怖い「人との接触」
最初は、駅のホームです。
大阪の大きな駅では、時間帯によって本当にたくさんの人が歩いています。
人が多いだけならまだいいのですが、怖いのはホームの端に近いところです。
白杖を使って歩いていても、人とぶつかることがあります。
もしホームの端で強くぶつかってバランスを崩したら、その先は線路です。

僕の周りにも、実際にホームから線路へ転落した経験のある視覚障害者がいます。
僕自身は、幸いまだ落ちたことはありません。
これからも絶対に落ちたくないです(笑)。
最近ではホームドアが設置されている駅も増えて、以前より安心して歩ける場所も増えてきました。
それでも、危険が完全になくなったわけではありません。
駅の中を急いで走っている人とぶつかったり、スマートフォンを見ながら歩いている人と接触したりすることもあります。
これは視覚障害者だけの問題ではなく、お互いのケガにもつながります。
駅ではほんの少し周囲を気にしながら歩いてもらえると、それだけでも助かります。
② 踏切の真ん中で「ここはどこ?」。音が多すぎて方向を見失う怖さ
駅と同じくらい怖いと感じるのが、踏切です。
僕自身、踏切を渡っている途中で、
「あれ? 今、自分はどこにいる?」
となった経験があります。
視覚障害者は、周囲の音や白杖から伝わる感触など、いろいろな情報を頼りに歩いています。
ところが踏切では、警報音が鳴り始めたり、車や電車などいろいろな音が重なったりすると、自分の位置や進む方向を把握しづらくなることがあります。

僕も過去に、踏切の中で方向が分からなくなってしまったことがあります。
そのときは近くにいた人が助けてくれて、踏切の外まで誘導してくれました。
本当にありがたかったです。
でも、
もしあのとき誰もいなかったら。
そう考えると、今でも怖いです。
踏切によっては視覚障害者が歩きやすくなるような設備が整えられている場所もあります。
それでも、設備だけですべての危険をなくすのは難しいと思います。
もし踏切の中やその周辺で、白杖を持った人が立ち止まっていたり、困っているように見えたりしたら、
「大丈夫ですか?」
と声をかけてもらえるだけでも助かります。
緊急性がない場合は、いきなり身体や白杖を引っ張るのではなく、まず声をかけてもらえるとうれしいです。
もちろん、電車が迫っているなど一刻を争う状況では、安全を確保することが最優先です。
③ 横断歩道でまさかの赤信号。「みんなが渡ったから青」が危険な理由
続いては、横断歩道です。
ここでも、ヒヤッとした経験が何度もあります。
特に難しいのが、信号の判断です。
音響式信号機がある場所なら音を頼りにできますが、すべての交差点に設置されているわけではありません。
そんなとき、周りの人が一斉に歩き始めると、
「青になったんだな」
と思って一緒に渡ることがあります。
ところが、
その人が信号無視をしていただけだった。
なんてこともあります。
僕が大阪で生活している中では、これを何度か経験しています(笑)。

反対に、青だと思って横断歩道を渡っている最中に、目の前を車がかなりのスピードで通過したこともあります。
見えない・見えにくい状態で、すぐ目の前から突然大きな走行音がすると本当に怖いです。
「今の車、あとどれくらい近かったんだろう……」
と後から考えることもあります。
もちろん、すべての交差点に音響式信号機を設置するのは簡単ではないと思います。
でも、今すぐ誰にでもできることがあります。
信号を守ることです。
ものすごく当たり前の話ですが、その行動が知らない誰かの安全につながることがあります。
視覚障害者の中には、周囲の人の動きや足音などを判断材料のひとつにしている人もいます。
あなたが赤信号で渡ったとき、近くにいる白杖を持った人が「青になった」と勘違いして、一緒に渡ってしまう可能性もあります。
信号を守ることは、自分自身だけでなく、知らない誰かの安全にもつながっています。
④ 自転車は走っていなくても危険?突然のベルと「そこに停める!?」な路上駐輪
次は、自転車です。
自転車で怖いのは、走っている自転車との接触だけではありません。
突然ベルを鳴らされるのも怖いことがあります。
もちろん、本当に危険を知らせるためなら仕方ありません。
ただ、
- 「邪魔だからどいて」
- 「早く通りたいから」
という理由で、すぐ近くから突然ベルを鳴らされると、驚いて反射的によけてしまうことがあります。
そして、よけた先に壁や看板、自転車などがあれば、そこにぶつかる可能性があります。
冒頭で書いた車のクラクションも、まさにこれでした。
そして、自転車でもうひとつ困るのが路上駐輪です。
少し前、近所のコンビニへ行ったときのこと。
入口付近に自転車が停められていました。
気づいたときには遅く、
見事にぶつかりました(笑)。
いや、笑っていますけど痛いです。
視覚障害がなくても、入口をふさぐように自転車が停められていたら邪魔ですよね。
視覚障害者にとっては、それが気づきにくい「障害物」になることがあります。
ほんの少し離れた駐輪スペースに停めてもらうだけで、防げるケガがあります。
⑤ 「いつも歩ける道」が突然ふさがれる。路上駐車が視覚障害者に危険な理由
最後は、車の路上駐車です。
僕は夜になると、昼間以上に周囲の状況を把握するのが難しくなります。
そのため、白杖を使って歩いていても、停められている車にぶつかってしまうことがあります。
特に困るのが、
普段は何もない場所に突然車が停まっているケースです。
視覚障害者の中には、道の形や建物、周囲の音、地面の感触などを覚えて歩いている人もいます。
「ここをまっすぐ進めば大丈夫」
と思っていた場所に突然車があると、いつものルートが変わってしまいます。
「ちょっとだけだから」
「すぐ戻るから」
という気持ちで停めているのかもしれません。
でも、その「ちょっとだけ」の車が、誰かにとっては大きな障害物になることがあります。
特別扱いしてほしいわけじゃない。「少しの想像」で防げる事故がある
ここまで、僕自身が実際に経験したことを中心に、視覚障害者が街中で危険を感じる場所や場面を紹介しました。
読んでいると、
「視覚障害者が街を歩くって大変なんだな」
と思うかもしれません。
確かに危険なことはあります。
でも、だからといって僕たちがずっと家の中にいるわけではありません。
- 仕事にも行きます。
- 買い物にも行きます。
- 友達と遊びにも行きます。
- 僕ならダーツにも行きます(笑)。
僕たち視覚障害者も、白杖を使ったり、安全な道を選んだり、周囲の音を確認したりしながら事故を防ぐ工夫をしています。
自分たちの安全を、すべて周りの人に任せたいわけではありません。
そして、特別扱いしてほしいわけでもありません。
「自分にとっては何でもないことが、見えない人にとっては危険になることもある」
と、ほんの少しだけ想像してもらえたらうれしいです。
- 駅のホームで少し周囲を見る。
- 踏切で困っている人がいたら声をかける。
- 赤信号では渡らない。
- 自転車を通路やお店の入口に停めない。
- 必要のない場面で、自転車のベルや車のクラクションを鳴らさない。
どれも、視覚障害者のためだけにする特別なことではありません。
みんなが安全に街を使うための、ごく普通のことです。
でも、その「普通」が誰かの事故を防ぐことがあります。
この記事を読んだあと、街中で白杖を持った人を見かけたとき、
「もしかして、ここって歩きにくいのかな?」
とほんの少し想像してもらえたら、それだけでもこの記事を書いた意味があると思っています。
僕自身も、これから気をつけて歩きます。
何しろ、看板にぶつかるのは普通に痛いので(笑)。
