突然ですが、あなたの家には何かペットがいますか?
我が家には1匹の「猫」がいます!
しかも、アメリカ出身のにゃんこです。
名前はオリバー。
僕が妻と一緒に暮らし始めて約1年半。
同時に、妻と僕とオリバーの
「2人+1匹」の生活も始まりました。
視覚障害者と動物というと、盲導犬と暮らしている人を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも僕は、盲導犬以外の動物と暮らしている視覚障害者を、身近ではあまり知りませんでした。
そのため、
「視覚障害者が猫と一緒に暮らしたら、
どんな生活になるんだろう?」
と、僕自身も最初はよく分かっていませんでした。
実際に1年半暮らしてみると、やっぱり大変なことはあります。
猫がどこにいるのか分からない。
尻尾を踏んでしまう。
お世話の中にも、僕一人ではまだ難しいことがあります。
その一方で、視覚障害があってもできることもたくさんありました。
そして何より、
オリバー自身も僕との暮らし方を覚えてくれたような気がします。
今回は、視覚障害のある僕が猫と1年半暮らして分かったことを、実際の失敗談も含めて書いてみます。

アメリカ生まれの猫「オリバー」が我が家にやってきた
まずは、オリバーについて少し紹介します。
オリバーはアメリカ生まれの猫です。
子猫だったころ、傷だらけの状態で妻の家の前にいたそうです。
そこを妻が保護し、そのまま一緒に暮らすことになりました。
その後、妻が日本へ来ることになり、オリバーも一緒に日本へ。
つまり、
アメリカ生まれの妻と、
アメリカ生まれの猫。
そして日本人の僕。
なかなか国際色豊かな家族です(笑)。
そんなアメリカ育ちのオリバーですが、日本に来てからあるもののおいしさを知ってしまいました。
それが、
カツオです。
僕たちがカツオのたたきや刺身を食べていると、どこからともなく匂いを嗅ぎつけてやってきます。
アメリカ生まれですが、
味覚はだいぶ日本に染まってきたようです(笑)。

視覚障害者と猫の生活で一番怖いのは「踏んでしまうこと」
僕が猫と暮らすうえで特に気をつけているのが、
オリバーを踏んだり、傷つけたりしないことです。
猫と人間は言葉でコミュニケーションを取れません。
「こっちおいで」
「そこ危ないよ」
「ちょっとどいて!」
なんて言っても、当然こちらの都合どおりには動いてくれません。
むしろ、あくびをしながらリラックスしていることもあります。
「どいてくれ!!」
と思うのは、人間側の都合なんでしょうね(笑)。
そして実際、僕はこれまでに何度か
オリバーの尻尾を踏んでしまったことがあります。
踏んでしまった瞬間、
「そんな声出るの!?」
というくらい、聞いたことのない鳴き声を出されたこともあります。
もちろん、申し訳ない。
でも僕には、足元にいるオリバーが見えていないことがあります。
だから一緒に暮らしながら、
お互いに相手の動きを覚えていくしかありません。
そして1年半も一緒にいると、オリバーも学習したようです。
僕が近くを歩いていると、
サッ!
と逃げるようになりました(笑)。
「こいつの足元は危険だ」
と思われているのかもしれません。
そのおかげなのか、最近では尻尾を踏んでしまうこともかなり減りました。
ゼロではありませんが……。
最初は僕もオリバーも探り探り。
今では、それなりに良い距離感で暮らせていると思います。
……多分(笑)。

猫に鈴をつければ解決?残念ながら我が家では無理でした
「猫がどこにいるか分からないなら、首輪に鈴をつければいいんじゃない?」
そう思う人もいるかもしれません。
僕の友人が飼っている猫も、首に鈴をつけていることが多いです。
鈴が鳴れば、僕にも猫の居場所が分かります。
視覚障害者と猫。
これはもう鈴があれば解決!
……と思いきや。
残念ながら、オリバーは鈴が大っ嫌いです!
というより、そもそも首輪自体があまり好きではないようです。
そのため、我が家では鈴をつけていません。
猫と暮らすまで知らなかったのですが、
猫って想像以上に静かに動きます。
さっきまで離れたところにいたはずなのに、気づけば足元にいる。
これは視覚障害のある僕にとって、なかなか怖いところです。
ところが、そんなオリバーもいつも静かなわけではありません。
大好きなおやつの音がしたとき。
うんちをした後。
お気に入りのおもちゃを出したとき。
そんなときだけは、
「さっきまでの忍者みたいな動きは
何だったんだ?」
と思うくらい、ドタバタと足音を立てて走り回ります(笑)。
常にその足音で歩いてくれたら、
どこにいるかすぐ分かるのに!
猫が家の中で消えた!視覚障害者の僕が使う「奥の手」
猫と暮らしていると、
「あれ?オリバーどこ行った?」
ということがあります。
ベッドの下。
ソファーの下。
このくらいなら分かります。
ところがオリバーの場合、
引き出しの中や、洗濯物を入れる箱の中
に潜り込んでいたことまであります。
ただでさえ静かに動く猫です。
そこに視覚障害まで加わると、
本気で見つかりません。
そんなとき、僕には奥の手があります。
YouTubeなどにある
「猫が寄ってくる音」を再生します。
すると、
「何だ何だ?」
と言わんばかりに、こちらへやってきます。
そこを……
捕まえちゃう!!(笑)
毎回必ず成功する方法とは限りませんが、
我が家では猫を探すときの一つの方法になっています。

視覚障害があっても猫の餌や水のお世話はできる
猫のお世話については、我が家では妻が担当していることが多いです。
そのため僕がやっていることは限られていますが、
餌やりや水の補充などは僕にもできます。
猫用のお皿を確認して、空になっていたらドライフードを入れる。
我が家では水分をしっかり取ってもらうことも意識しているため、
カリカリだけではなくウェットフードもあげています。
普段ウェットフードを準備するのは妻ですが、
妻が仕事で忙しいときなどは僕が作ることもあります。
ちょうどいい水分量にするために、何度も練習しました(笑)。
水の残量は「見る」のではなく「音」で判断
水についても、面白い発見がありました。
我が家では、フィルターを通して水が循環する
噴水のような給水器を使っています。
最近気づいたのですが、水の量が少なくなってくると、
水が流れる音が大きくなるんです。
つまり僕の場合、
水の残量を「見る」のではなく、
「音」で判断できます。
音が大きくなってきたら、
「そろそろ水を入れよう」
と、ポットを使って補充します。
よくこぼして妻に怒られますが(笑)。
見えない・見えにくいから何もできないのではなく、
音や触った感覚など、自分に分かる方法を見つければできることもあります。

まだ僕には難しい猫のお世話もある
もちろん、全部のお世話を僕一人でできるわけではありません。
今後できるようになりたいのが、
猫のトイレ掃除です。
猫砂の中をしっかり確認して掃除する必要があるので、
現在は妻に任せています。
ただ、妻が体調を崩したときや出かけているときなどに、
僕が代わりにできるようになればいいなと思っています。
ちなみに、掃除した後の猫のゴミを
マンションのゴミ捨て場まで持っていくのは僕の仕事です(笑)。
夫婦でできることを分担しながら、
オリバーのお世話をしています。
猫と暮らして一番変わったのは「愛情が湧いたこと」
猫と一緒に暮らしてみて感じたことはいろいろあります。
でも一番大きいのは、
やっぱり愛情が湧くことです。
僕が仕事から帰ってくると、玄関まで迎えに来て、
「にゃー」
と一声。
毎日一緒にいると、それが当たり前の風景になっていきます。
最初は「妻が飼っている猫」という感覚だったオリバーも、
1年半一緒に暮らした今では、
僕にとっても大切な家族です。
猫はかわいい。でも旅行や外出には制約も増えた
ここまで読むと、
「猫との生活、楽しそう!」
と思うかもしれません。
実際、楽しいです。
かわいいです。
でも、
かわいいだけでは動物とは暮らせません。
僕自身、猫と暮らし始めてから、
外出中にオリバーのことが心配になることが増えました。
もともと僕は旅行も好きですが、
猫のことを考えて遠出を控えることもあります。
長期間家を空けるなら、
誰かにお世話をお願いしたり、
必要に応じてお金を払って預かってもらったりすることも
考えなければいけません。
これは視覚障害がある・ないに関係なく、
ペットを飼うなら考えておかなければならないことだと思います。
猫を迎えるということは、
自分の生活にも変化が生まれるということです。

視覚障害者でも猫は飼える?1年半暮らした僕の答え
もし、
「視覚障害があるけれど、
猫と暮らしてみたい」
という人がいたら、
僕は「視覚障害があるから無理」とは思いません。
僕自身、オリバーと1年半暮らしてきました。
餌をあげる。
水を補充する。
一緒に遊ぶ。
できることはたくさんあります。
そして一緒に暮らしているうちに、
僕だけではなくオリバーのほうも
僕との距離感を覚えてくれました。
ただし、僕の経験から考えると、
一人暮らしで猫のお世話をすべてするのは、
かなり大変だと思います。
僕の場合は妻がいて、
僕には難しいお世話をしてくれています。
家族や一緒に暮らしている人がいるなら、
協力してもらえることもあるでしょう。
猫を迎える前に考えてほしいこと
反対に一人で飼うのであれば、
自分の見え方で、どこまでお世話ができるのか。
難しいことがあったときに、どうするのか。
旅行や外出するときは、どうするのか。
お世話を誰かにお願いするためのお金を用意できるのか。
そういったことまで考えてから迎えたほうがいいと思います。
それは人間が自分のライフスタイルを守るためでもありますが、
何より、
一緒に暮らす猫のためでもあります。
僕とオリバーも、最初からうまく暮らせたわけじゃない
視覚障害者と猫。
最初は僕も、
「ちゃんと一緒に暮らせるのかな?」
と思っていました。
実際に暮らしてみると、
尻尾を踏んで怒られたり、
水をこぼしたり、
家の中でオリバーが行方不明になったり。
いろいろあります(笑)。
それでも1年半かけて、
僕はオリバーとの暮らし方を覚え、
オリバーも僕との暮らし方を
覚えてくれました。
完璧ではありません。
これからできるようになりたいこともあります。
でも今では、玄関から聞こえてくる
「にゃー」
という一声も含めて、
2人+1匹の生活が、
僕たちの日常になっています。


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